[ 定款の記載事項 ] 2006/09/23(土)
佐々木事務所の所長の佐々木正己(ささき・まさみ)です。Q: 完全無議決権株式とは、どのようなものでしょうか?
A: 完全無議決権株式とは、、種類株式の一種類である議決権制限株式の一種です。
議決権制限株式とは、株主総会において議決権を行使することができる事項に
ついて制限のある種類株式をいいます(会社法115条)。
完全無議決権株式とは、「どんな場合でも議決権をまったく有しない株式」
(『論点解説 新・会社法―千問の道標』91頁)といわれています。
「どんな場合でも」議決権を有しない株式であると、「完全無議決権株式」は、
定義されています。
次のように、ただし書きがある場合には、「完全無議決権株式」とは、
いえないでしょう。
(無議決権条項)
第 8 条 甲種類株式の株主は、株主総会において議決権を有しない。ただし、
剰余金の優先配当に係る議案が定時株主総会に提出されないときはその総会
より、その議案が定時株主総会において否決されたときはその総会の終結の
時より、優先配当を受ける旨の決議のある時までは、議決権を有する。
次のように、ただし書きがない場合に、初めて「完全無議決権株式」と
いえるのでしょう。
(無議決権条項)
第 8 条 甲種類株式の株主は、株主総会において議決権を有しない。ただし、
「ある場合には」議決権を有しないが、「ある場合には」議決権を有する
種類株式は、単なる「無議決権株式」、「条件付無議決権株式」、
「不完全無議決権株式」のように呼ぶべきでしょう。
定款に、次のように規定されている種類株式は、「完全無議決権株式」では
なく、単なる「無議決権株式」ないし「不完全無議決権株式」でしょう。
(発行可能株式総数及び発行可能種類株式総数)
第 6 条 当会社の発行可能株式総数は、1,000株とし、そのうち普通株式は
900株、甲種類株式は100株とする。
(剰余金の優先配当)
第 7 条 甲種類株式を有する株主は、普通株式を有する株主に先立ち、1株に
つき500円の剰余金の配当を受けるものとする。
(無議決権条項)
第 8 条 甲種類株式の株主は、株主総会において議決権を有しない。ただし、
剰余金の優先配当に係る議案が定時株主総会に提出されないときはその総会
より、その議案が定時株主総会において否決されたときはその総会の終結の
時より、優先配当を受ける旨の決議のある時までは、議決権を有する。
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