佐々木事務所の所長の佐々木正己(ささき・まさみ)です。Q: 譲渡制限株式の承認機関として、監査役を定款で定めることができる
のでしょうか?
A: 譲渡制限株式の承認機関として、どこまで認めるかについては、
【資料1】のように、幅広く認める見解もあります。
ただ、定款自治といっても、自ずから、内在的制約があるものとして、
承認機関を限定的に解釈する(【資料2】)のが通説だと考えます。
A種類株式の種類株主総会を、B種類株式の譲渡制限の承認機関とする
ことは、実務上は、認められておりません。
監査役の職務は、会計業務のみの監査を行う監査役を別として、
業務執行の監査であり、株式の譲渡承認が業務執行の一種と考えると
監査役を承認機関として定めることは、否定的に解さざるをえません。
【資料1】『
非公開会社のための新会社法』102頁
《 譲渡承認の承認機関も、定款であらかじめ変更できる(会社法139条
1項ただし書)。……(中略)……
譲渡承認機関にかかる定款自治拡大の限界は、文言上、明らかとはいえ
ない。……(中略)……ただし、定款により株主が委任すれば、株主全体の
意思として、その者こそが会社にとって好ましくない者を判断する者とし
て適当とも考えうる。》
【資料2】『
論点解説 新・会社法 千問の道標』63頁
《 ただし、会社法139条1項は、あくまで、株式会社としての決定を
どの機関において行うこととするかを定款で定めることを認めている
だけであり、株式会社の決定とはいえないような決め方を定める
(まったくの第三者が定めるものとするなど)ことはできないものと
解される。》
【資料3】会社法
(譲渡等の承認の決定等)
第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする
か否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、
取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めが
ある場合は、この限りでない。
2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下
この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を
通知しなければならない。
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