佐々木事務所の所長の佐々木正己(ささき・まさみ)です。Q: 印鑑証明制度の歴史は、どういうものでしょうか?
A: 印鑑証明制度の歴史については、【資料】のとおり、信森毅博氏の労作
がありますので、ご紹介させていただきます。
【資料】 信森 毅博 稿「認証と電子署名に関する法的問題」
「Discussion Paper No. 98-J-6」日本銀行金融研究所 1998年2月
69頁
私法上の押印の扱い年表
明治4年 太政官布告第456 号「諸品売買取引心得方定書」
・印鑑帳作成を「身元町村指配の庄屋或は年寄共方」の職務と
する。
明治5年 太政官布告197 号
・実印を他人に預けることを禁じる。明治6年太政官布告239 号
・実印を押していない証書は裁判上証拠にならないこととする。
明治10年 太政官布告50 号
・諸証書には、本人が自署し、実印を押すことを要求。
明治10年 司法省丁第78 号
・銀行の当座預金請取証書、振出手形、為替手形については、
姓名自署及び実印の使用の必要がないことを認める。
明治11年 太政官達第32 号「府県官職・戸長職務の慨目」
・「町村内の人民の印影簿を設置すること」を戸長の事務とする
(この布告以降、印鑑登録は市町村固有の事務とされた)。
明治12年 第44号布告
・明治6年太政官布告239号廃止。
明治15年 第57号布告(為替手形約束手形条例(注))
・手形に関し、記名調印を要求。
明治21年 市制・町制実施<市制第2条、町制第2条>
・印鑑登録事務を市・町の事務とする(「従来法令又は慣習に
因り及将来法律勅令に依り市町村に属する事務」を市・町の
事務)。
明治23年 法律第28 号
・民法の施行に伴い、明治10年太政官布告第50号を廃止。
明治26年 旧商法施行
・署名捺印を要求。
明治32年 商法第4編手形・小切手法施行
・署名を要求。
明治32年 法律第50号
・外国人に関し、署名のみで足りる旨を定める。
明治33年 法律第17号(商法中署名すべき場合に関する法律)
・商法中の署名は、記名捺印でよいものとする。
昭和21年 地方自治方制定
・印鑑登録事務を市町村等の事務とする。
昭和49年 自治省「
印鑑登録証明事務処理要領」策定
・
直接証明方式から
間接証明方式への転換。
(注)明治政府は、商法典の制定に先立って、本法を単独で立法。
なお、草案段階では、手署捺印を要求していたが、実際に制定された
条例では、記名調印とされている。
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