佐々木事務所の所長の佐々木正己(ささき・まさみ)です。Q: 定款の記載事項である株式の譲渡制限に関する規定とは、
どのようなものでしょうか?
A: 株式会社の定款に、その発行する全部の株式の内容として、
「譲渡による当該株式の 取得について当該株式会社の承認を要すること」
(会社法107条1項1号)を定めることができます。
種類株式を発行する株式会社の定款に、その発行する種類株式の内容として、
「譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること」
(会社法108条1項4号)を定めることができます。
株式の譲渡制限に関する規定とは、発行する全部の株式又は種類株式の内容と
して、「譲渡による株式の取得について当該株式会社の承認を要する」という
定めのことです。
公開会社とは、発行する全部の株式の内容として株式の譲渡制限に関する規定
を定款に定めた株式会社以外の株式会社をいいます。
したがって、発行するある種類株式の内容として株式の譲渡制限に関する規定
を定款に定めた株式会社も、公開会社です。
ただし、発行するすべての種類株式の内容として株式の譲渡制限に関する規定
を定款に定めた株式会社は、公開会社でない株式会社です。
発行する全部の株式の内容として、株式の譲渡制限に関する規定を定款に
定めた株式会社を、会社法上は、「公開会社でない株式会社」といいます。
一般的には、「公開会社でない株式会社」は、非公開会社といわれています。
発行する全部の株式の内容としての株式の譲渡制限に関する規定は、定款には、
次のように、記載します。
【1】日本公証人連合会版「会社法対応定款モデル」
http://www.koshonin.gr.jp/ti.html
(株式の譲渡制限)
第 7 条 当会社の発行する株式は、すべて譲渡制限株式とし、これを譲渡によって
取得するには,株主総会の承認を要する。
(株式の譲渡制限)
第 7 条 当会社の発行する株式は、すべて譲渡制限株式とし、これを譲渡によって
取得するには,代表取締役の承認を要する。
(株式の譲渡制限)
第 7 条 当会社の発行する株式は、すべて譲渡制限株式とし、これを譲渡によって
取得するには,取締役会の承認を要する。
【2】東商版「中堅・中小企業のための会社法対応定款モデル」
http://www.tokyo-cci.or.jp/sansei/seisakunavi/houki/sho_hikokai_model.pdf
(株式の譲渡制限)
第 8 条 当会社の株式は、株主総会の承認がなければ譲渡または取得することが
できない。
(株式の譲渡制限)
第 8 条 当会社の株式は、取締役会の承認がなければ譲渡又は取得することが
できない。
【3】法務省民事局
http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/k11-1-01.pdf
http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/k11-1-011.pdf
(株式の譲渡制限)
第 6 条 当会社の株式を譲渡するには、当会社の承認を受けなければならない。
(株式の譲渡制限)
第 7 条 当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を受けなければならない。
発行する種類株式の内容としての株式の譲渡制限に関する規定は、定款には、
次のように、記載します。
(株式の譲渡制限)
第 8 条 当会社の第1回優先株式、第3回優先株式及び第5回優先株式を譲渡する
には、取締役会の決議を要する。
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(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定める
ところによる。
一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
二 ……(中略)……
五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式
の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社
をいう。
六 ……(後略)……
(株式の内容についての特別の定め)
第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を
定めることができる。
一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することが
できること。
三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として
これを取得することができること。
2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、
当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。
一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に
掲げる事項
イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨
ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の
承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合
二 ……(後略)……
(異なる種類の株式)
第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる
二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、委員会設置会社及び
公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する
ことができない。
一 剰余金の配当
二 残余財産の分配
三 株主総会において議決権を行使することができる事項
四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
五 ……(中略)……
2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を
発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定め
なければならない。
一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、
剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容
二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、
当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容
三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項
イ 株主総会において議決権を行使することができる事項
ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件
四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること
当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項
五 ……(中略)……
3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の
異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項
に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、
株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社
にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることが
できる。この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。
(株式会社の設立の登記)
第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日
のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社
が委員会設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定
による通知を受けた日)
二 発起人が定めた日
2 ……(中略)……
3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店及び支店の所在場所
四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、
その定め
五 資本金の額
六 発行可能株式総数
七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数
及び発行する各種類の株式の内容)
八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数
九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
十 株券発行会社であるときは、その旨
十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所
十二 ……(後略)……
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